共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

氷床掘削孔の検層及び氷床探査ゾンデに関する研究
新規・継続の別 継続(平成21年度から)
研究代表者/所属 北大低温研
研究代表者/職名 助教
研究代表者/氏名 的場澄人

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

本山秀明 情報・システム機構 国立極地研究所 教授

2

古崎睦 旭川工業高等専門学校 教授

3

高橋弘 東北大学大学院環境科学研究科 教授

4

須藤祐子 東北大学大学院環境科学研究科 助教

5

高橋昭好 (株)地球工学研究所 代表取締役

6

宮原盛厚 (株)地球工学研究所 研究員

7

高田守昌 長岡技術科学大学 助教

8

杉山慎 北大低温研 講師

9

飯塚芳徳 北大低温研 助教

10

新堀邦夫 北大低温研 嘱託職員

研究目的  氷河や氷床からアイスコアを採取したあとの掘削孔を調べる(検層)ことにより、氷河・氷床の氷温分布や深さ方向の流動分布などがわかり過去の気温や氷河の流動特性が復元できる。本研究の目的は、2011年1月に南極ドームふじで行われた検層の結果を検討し2013年に予定されている再観測に向けて問題点の洗い出しと改良点の検討と、南極の棚氷での使用が予定されている熱水ドリルの検討である。
  
研究内容・成果  2011年1月に南極ドームふじで行われた検層の結果が報告された。測定においていくつかのトラブルがあった。通信のトラブルは、サンプリングタイミングの調整とアーマードケーブルの内芯のみを信号送信に使うことで解決された。アーマードケーブルの外側の金属線をアースに使用した場合に生じる通信異常の原因も理論的に理解された。今回の検層で得られたデータは、氷壁温度、液封液温度、掘削孔傾斜、掘削孔径だった。氷壁温度と液封液温度の差は殆どないことがわかり、今後は測定の容易な液封液温度から過去の気温復元が可能であることが確認された。今回の検層器に新たに導入したデータロガーも順調に作動した。
 実際に使用された検層器の動作確認を行った。その結果、通信ボードに異常が分かった。
 2013年の観測に向けて、ビデオカメラを用いた掘削孔の撮影方法、掘削孔の傾斜の方位の測定方法について検討がされた。
 南極の棚氷で使用する熱水ドリルについては、熱水の熱効率のよい噴出方法と掘削孔からの熱水の回収方法について検討された。


  
成果となる論文・学会発表等 本山秀明・新堀邦夫・倉元隆之・飯塚芳徳・三宅隆之・平林幹啓・的場澄人: ドームふじ深層掘削孔検層観測と氷床底面状態.雪氷研究大会(2011・長岡)、ハイブ長岡(長岡産業交流会館)、長岡市、2011年9月20日~22日.

本山秀明、新堀邦夫、倉元隆之、飯塚芳徳、三宅隆之、平林幹啓、的場澄人: ドームふじ深層掘削孔検層観測と氷床底面状態について.極域科学シンポジウム、国立極地研究所、立川市、2011年11月14日~18日.