共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
グリーンランド氷床の変動プロセスと安定性 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 東京大学大気海洋研究所 |
研究代表者/職名 | 准教授 |
研究代表者/氏名 | 阿部彩子 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
齋藤冬樹 | 独立行政法人海洋研究開発機構 | 研究員 |
2 |
Ralf GREVE | 北大低温研 |
研究目的 | 気候変化によるグリーンランド氷床の変化やその海水準への寄与を研究するため、観測データと整合的な氷床モデルを構築してその変動特性を理解することを目的とする。グリーンランドの気候に対する応答や、氷床の安定性について研究し、将来予測に使われる氷床モデルの特性やモデル依存性を調べ、欧米のプロジェクト(SeaRISE, Ice2Sea)と連動して研究の盛んな日本においてもこの両グループで共同研究によって観測データや実験設定などを吟味して共通の数値実験を行ない、氷床変化プロセスやモデルパラメタ依存性について共同で調査する。 |
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研究内容・成果 | それぞれ独立にすすめてきた氷床モデルの開発について、その不確実だった質量収支過程や底面すべりプロセスに関して密接に情報交換をすることができた。また、グリーンランドの気候に対する応答や、氷床の安定性について、必要な実験について議論することができ、それぞれのモデルで将来の温暖化にたいする応答についてさまざまな想定実験を実施した。IPCC第5次報告書にむけて、SeaRISE プロジェクトについて、研究成果をまとめつつあり、共同研究論文を執筆中である。とくに底面の観測データや実験設定などについて情報を密にとって研究をすすめることができた。また、将来予測のために、過去の氷床のふるまいをモデルで再現してその特性を調べ理解することが必要であるため、前の間氷期(約12万5千年前)や最終氷期以降完新世の現在に至るまでの変化について重点的に数値実験を進めることができた。氷床変化プロセスやモデルパラメタ依存性について共同で調査を現在進めており、結果を共同論文にまとめる予定である。 |
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成果となる論文・学会発表等 |
Ralf Greve, Fuyuki SAITO and Ayako Abe-Ouchi. Initial results of the SeaRISE numerical experiments with the models SICOPOLIS and IcIES for the Greenland ice sheet. Annals of Glaciology, 52, 23-30, 2011. Fuyuki SAITO. Impact of arithmetic asymmetries on simulated thermodynamical ice-sheet evolution. Journal of Glaciology, Accepted. |