共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

全球・領域気候モデルにおける環オホーツク地域の相互比較
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 独立行政法人海洋研究開発機構
研究代表者/職名 研究員
研究代表者/氏名 小守信正

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

本田明治 国立大学法人新潟大学 准教授

2

小木雅世 独立行政法人海洋研究開発機構 研究員

3

木田新一郎 独立行政法人海洋研究開発機構 研究員

4

田口文明 独立行政法人海洋研究開発機構 研究員

5

三寺史夫 北大低温研 教授

6

中村知裕 北大低温研 講師

研究目的  北海道大学低温科学研究所で開発中の環オホーツク領域気候モデルおよび独立行政法人海洋研究開発機構で開発中の全球大気海洋結合モデル (CFES) をより精緻なものとすることにより、比較的立ち後れている環オホーツク地域のモデリング研究・シミュレーション研究を発展させ、気候変動・環境変動予測のための基盤を構築する。
  
研究内容・成果  本共同研究のための情報交換・議論の場として、2010年9月に低温科学研究所において研究集会を開催した。発表者とタイトルを文末に示す。参加者の研究手法は、観測データ・再解析データの解析から領域大気モデル・領域海洋モデル・全球大気海洋結合モデルを使った研究まで多岐に渡り、活発な議論が行われた。一連の発表・議論を通じて、環オホーツク地域を対象としたシミュレーションの謂わばメトリックとして、

・オホーツク海高気圧
・海氷分布
・高密度陸棚水 (DSW)
・北太平洋中層水 (NPIW)

といった現象・水塊の再現性向上が必要であること、その鍵となる物理過程として、

・下層雲
・潮汐混合

のより適切なモデリングが重要であること、が確認された。

 今後は、主に領域大気モデル・領域海洋モデルから得られたこれらの過程に関する知見をCFESに反映させていくとともに、CFESを用いた全球シミュレーションの結果を詳しく解析し、環オホーツク地域と大規模な大気循環・海洋循環との双方向作用を明らかにしていきたい。

【研究集会の発表者とタイトル】

三寺史夫(北大低温研)挨拶
小守信正(海洋機構)趣旨説明
上原裕樹(北大低温研)ロシアデータを用いた熱塩循環の解析―水温極小層の経年変動
内本圭亮(北大低温研)熱塩循環・物質循環のモデリング
藤崎歩美(北大低温研)オホーツク海海氷海洋結合モデル
木田新一郎(海洋機構)太平洋が駆動するオホーツク-太平洋の水塊交換
小木雅世(海洋機構)今後、CFESなどを使って解析したいこと
本田明治(新潟大)北極の変化が世界各地に異常気象をもたらす
小守信正(海洋機構)大気海洋結合モデルにおける中緯度海面水温前線域での結合係数
田口文明(海洋機構)風応力カールの微細な構造で強制された海洋ジェット―高解像度大気海洋結合モデルによる研究
中村知裕(北大低温研)夏季オホーツク海上の下層雲シミュレーション
Yagnesh R. Yakkala(北大低温研)Simulation of cloud band over the Sea of Okhotsk along the northern coast of Hokkaido
  
成果となる論文・学会発表等 J. Ukita, M. Honda, N. Komori, and B. Taguchi: Northern Hemisphere sea-ice: Summer trend and winter seesaw. 2nd International Symposium on the Arctic Research (ISAR-2), S1-O3, Tokyo, Japan, December 2010. (Invited)