共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

次期惑星探査リターンサンプル機搭載のサンプルコンテナ真空シール性向上の開発
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 北大大学院理学研究院
研究代表者/職名 助教
研究代表者/氏名 伊藤正一

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

女池竜二 電子研技術部 主任

2

武井将志 電子研技術部 技術職員

研究目的 はやぶさ1号機コンテナ部で採用されているラッチ・シール機構に対して、バイトンO-ring部をインジウム線に変更し、より空気透過率を軽減したメタルシール方法の開発を行う。気密要求(空気分圧がリエントリーから100時間後、約1Pa以下)を満足させるため、シール部をバイトンO-ringからインジウム線に変更し、荷重量を260kgfで気密要求を満たすシール方法の開発を行った。今後の氷サンプルリターン惑星探査も見据えて、実現させることを目的とした。
  
研究内容・成果 テンシロン荷重試験器を用いた室温,及び低温下でのインジウム材を用いた真空試験を行った。
荷重量を200kgfで気密要求を満たすシール方法の開発を行った。
インジウムシート,インジウム線等,フランジ面への固定方法を数種類検討し,最も低荷重下でシール性能が向上する方法を検討した。あわせて,インジウム材は,低温研技術部の藤田の協力のもと,インジウム再生機を使用させていただいた。
室温,低温(-20度)での塑性変形量を比較したところ,フッ素ゴムやAl材は,塑性変形量が大きく変化したが,インジウムは,ほとんど塑性変形量に影響を与えないことがわかった。
以上の結果,バネを用いたラッチシール機構を模擬し検討した結果,V-V溝構造によって,荷重260kgfでHeリークに反応しない真空シール方法を開発することに成功した。
今後,実機にのせるためには,インジウムをどのように固定するかが検討課題となるだろう。
  
成果となる論文・学会発表等 JAXA公式文書にて成果として残す予定。