共同研究報告書
研究区分 | 萌芽研究 |
研究課題 |
ドームふじコアを用いた新しい古環境復元法 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 北大低温研 |
研究代表者/職名 | 助教 |
研究代表者/氏名 | 飯塚芳徳 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
本山秀明 | 極地研 | 教授 |
2 |
鈴木啓助 | 信州大 | 教授 |
3 |
東久美子 | 極地研 | 准教授 |
4 |
三宅隆之 | 極地研 | PD |
5 |
平林幹啓 | 極地研 | PD |
6 |
倉元隆之 | 極地研 | PD |
7 |
植村立 | 琉球大 | 助教 |
研究目的 | 低温研が旗手となり、極地研究所を中心とする日本の氷床コア研究機関との連携(アイスコアコンソーシアム)を推進していく。具体的にはアイスコアコンソーシアムから研究者を選抜し、低温研が主体となって成果創出を主目的とする共同研究チームを立ち上げ・維持し、研究成果の創出(論文化)をめざす。 共同研究メンバーの氷コアの輸送・保管・解析補助などの運用費、低温研のアイスコア解析システムの利用費、連携機関からの要請に応じて必要となる消耗品を本予算で賄う。また、共同研究メンバーの間で十分な議論するために、今年度中に低温研で集会を行う。 |
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研究内容・成果 | アイスコアコンソーシアムから研究者を選抜し、低温研が主体となって成果創出を主目的とする共同研究チーム(約10名)を立ち上げた。2010年7月に共同研究メンバーが低温研で研究集会を行い、低温研が主導できるアイスコアの化学分野において、アイスコアコンソーシアムを代表する3つの論文を共同研究メンバーで作成することを確認した。これらの3つの論文は近年掘削されたドームふじコア過去72万年間の安定同位体、イオン濃度、固体微粒子濃度を初めて公表する論文となる。準備に時間が必要であることから、本萌芽研究課題期間中の2011年秋を締め切りとして投稿することを議決した。現在、共同研究メンバーで執筆作業が進められている。 7月の研究集会では、上記3つの論文化以外の研究進捗についても話し合われた。ハロゲンイオンを用いた新しい氷期間氷期環境プロキシー変動、ラマン分光器を用いた氷コア深部における硫酸塩の固体から液体への相変化に関する研究、アイスコアの酸性度や電気伝導度の過去72万年間の変遷、氷期間氷期サイクルにおける硫酸エアロゾル組成の変遷など様々な研究の進捗状況の報告があった。 また、上記3つの論文を投稿した後の研究推進計画について共通認識を得た。特に取り組む項目として、ドームコアの2400m以浅の分析方針の確定、本共同研究メンバーを拡大しより多角的に議論すること、連続コア融解装置(CFA)の開発や新しいコア分析技術の改良、ドームコア3000m以深の氷床-基盤相互作用の解明などが挙げられた。 あわせて、共同研究メンバーから低温研関係者が関与した2本の個別の論文を投稿するにあたり、本予算において英文校閲などの費用を賄った。一つは最終氷期から現在にかけての氷コアに含まれる塩微粒子組成に関する論文であり、他方は南極ドームふじ地域の表面雪に含まれる水溶性エアロゾルに関する論文である。これらの2本の論文は2010年度中に投稿される予定である。 アイスコアコンソーシアムから低温研に対して氷コアの輸送・保管の依頼があり、これらの運用費を本予算で賄った。 |
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成果となる論文・学会発表等 |