共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

鳥の飛行高度と渡りに及ぼす気象要素の影響解明
新規・継続の別 継続(平成20年度から)
研究代表者/所属 熊本大学
研究代表者/職名 教授
研究代表者/氏名 三田長久

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

植田睦之 特定非営利活動法人 バードリサーチ 理事長

2

高木憲太郎 特定非営利活動法人 バードリサーチ 研究員

3

藤吉康志 北大低温研

研究目的 本研究は,気象学,環境情報工学,鳥類学の協働により,鳥が短距離の移動および長距離の渡りを行う際の,気象学的観点からの飛行条件を現場観測から明らかにすること。次に,これらのデータを基に鳥の行動を予測する経験式を作成し,航空機や風力発電施設等での鳥の衝突事故(バードストライク)を軽減することを目的とする。
  
研究内容・成果 ・紋別でのオオワシの渡りの調査
 11月8日から13日に紋別にて現地調査を実施した。11月12日に178羽のオオワシの渡りが確認された。11月11日にも45羽が記録されたが,吹雪で見通しが悪く,実際にはもっと多くの個体が渡ったものと考えられた。
 これらのワシは,海岸線沿いを上昇と滑空をくりかえしながら南下していった。オオワシが多く渡った日は,北よりの風が吹いていた。渡り行動の観察の結果,この風により海岸部に生じる上昇気流で高度をあげ,渡っていると考えられた。今後そのメカニズムを明らかにしていくことにより,気象側からワシが飛行しやすい場所を予測し,バードストライク対策に役立てられる可能性が考えられた。

・レーダーによる鳥の自動観測システムの構築
 レーダーに映る鳥からのエコーを自動的に抽出するソフトウェアを開発した。昨年度の調査で長期記録した北大上空の渡り鳥の移動状況のレーダーデータの解析が可能になった。今後この解析結果と藤吉研で収集している上空の気象データを比較解析することで,鳥の渡りの飛行メカニズムが解明できることが期待できる。
  
成果となる論文・学会発表等 特になし