共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

南極域の海氷・氷床上での海塩組成分別過程
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 福岡大学理学部
研究代表者/職名 助教
研究代表者/氏名 原圭一郎

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

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飯塚芳徳 北大低温研

研究目的 本課題は南極沿岸〜内陸域の大気中に存在する海塩粒子の分布とその組成分別過程と海塩成分から見た大気⇔積雪・海氷表面間の物質交換を明らかにすることを目的としている。これまでに昭和基地や南極沿岸〜内陸部で行われたエアロゾル・アイスコア・積雪の観測と分析の結果の相互比較を行い、海塩成分及びその関連物質から見た物質循環過程の理解を深化させるだけではなく、室内実験・モデル計算による検証も検討する。
  
研究内容・成果  南極地域観測隊の活動で捕集された大気中のエアロゾル試料の分析・解析結果(原が担当)と大陸上積雪・コア中の化学成分分析結果(飯塚が担当)の比較・検証を行う。現在分析・解析中のデータに加え、過去に得られた観測データを再解析し、大気中に存在するエアロゾル粒子(主に海塩粒子に注目)と、表面積雪・コア中の各化学成分の分析を進めた。本課題は新規の課題のため、個別に得られてきつつある観測・分析データを比較・議論し、今後の実験計画について議論した。
 また、2009年10月5日に、北海道大学低温科学研究所において、原(福岡大)、飯塚(北大低温研)、河村(北大低温研)、豊田(北大低温研)、西岡(北大低温研)、槌本((北大低温研:大学院生)により、極域の大気化学・海氷・積雪中の化学成分について意見交換・議論を行った。
 大気・雪氷圏の観測・分析データの比較や意見交換を通じて、南極大陸内陸部の積雪表面でも海塩組成分別が起きている可能性が期待された。本研究課題は、大気エアロゾル化学と雪氷化学を比較することで、考察・議論が行えるため、試料分析・解析だけではなく、室内実験や新たな観測計画の検討も踏まえて、今後も情報・意見交換をしていくこととなった。
  
成果となる論文・学会発表等