共同研究報告書


研究区分 研究集会

研究課題

様々な土地被覆上の大気境界層過程に関する研究集会
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 筑波大学生命環境科学研究科
研究代表者/職名 准教授
研究代表者/氏名 浅沼 順

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

岩田拓記 筑波大 陸域環境研究センター 準研究員

2

神田 学    東工大 国際開発工学専攻  准教授  

3

高橋 厚裕   総合地球環境学研究所 研究部 上級研究員

4

玉川 一郎   岐阜大 流域圏科学研究センター  准教授  

5

檜山 哲哉   名古屋大 地球水循環研究センタ- 准教授  

6

松島 大    千葉工大 工学部 准教授  

7

森脇 亮    愛媛大 大学院理工学研究科  准教授  

8

渡辺 力    北大低温研

9

藤吉 康吉 北大低温研

10

下山 宏    北大低温研

研究集会開催期間 平成 21 年 3 月 18 日 〜 平成 21 年 3 月 18 日
研究目的 熱エネルギーや、CO2などの物質は大気境界層を通して地表面とやりとりされている。こうした大気境界層過程については、1970年代以降の研究をベースとする、水平一様性を仮定した鉛直1次元の枠組み内での理解が進められてきた。しかし、近年の観測技術やシミュレーション技術の発達により、乱流の組織構造や安定成層時の間欠乱流など、従来の枠組みではとらえきれない現象の存在が明らかになってきた。また、地表面は、森林、農耕地、都市など様々な被覆物に覆われており、それぞれ特有な影響を大気境界層過程に及ぼしている。そこで、本研究集会では、大気境界層過程に関する理解の現状と、今後の研究の方向性を議論することを目的とする
  
研究内容・成果 2009年3月16-17日において開かれた研究集会に於いて、以下のような発表があった(敬称略)。西川将典・檜山哲哉(名大地球水循環)「黄土高原南部における日最大混合層高度の日々変化- 総観場と積雲生成に着目して -」、藤原忠誠・山下和也(北大環境)・中西幹郎(防衛大地球)・藤吉康志(北大低温)「ドップラーライダーで検出したDust devilの特徴」、西川将典・檜山哲哉(名大地球水循環)「黄土高原南部における局地循環と積雲生成に関する数値実験」、檜山哲哉(名大地球水循環)「エントレインメント起源の大気は日中の接地境界層に影響を及ぼすだろうか?」、浅沼 順(筑波大陸域)「直交ウェーブレット変換による接地層におけるスカラー相似性」、渡辺 力(北大低温)「日中の接地層におけるスカラー相似性を崩す要因?」、松島 大(千葉工大)「土壌熱慣性を利用した表層土壌水分量の推定について」、Letzel, Marcus Oliver「LES study on the turbulence structure in the urban roughness sublayer」、中井 太郎(北大低温)「森林上の空気力学的粗度の変動要因」、高橋厚裕(環境研)「乱流変動に伴う大気飽差の変動が植生群落抵抗に与える影響-中国黄土高原南部の小麦畑の例-」、玉川一郎(岐阜大流域圏)・斎藤琢・薛光明、大島誠志「高山常緑針葉樹林サイト(TKC)での乱流スペクトル解析、周辺気流解析」、飯塚 悟(名大環境)「気象モデルWRFによる名古屋都市圏温熱環境の将来予測の試み」、森脇 亮(愛媛大理工)「都市スケールモデルおよび水田上における境界層乱流の同時観測」、稲垣 厚至(東工大土木)「屋外都市模型におけるActiveな乱流変動の特性」。これらの発表から、今日の大気境界層研究に於いて明らかになりつつあることは、1.ドップラーライダーやウィンドプロファイラーなどのリモートセンシング技術によって、これまでわからなかった大気境界層の3次元的な乱流構造が明らかになりつつある、2.計算機の能力向上やパブリックな計算コードが手に入るようになったことで、LESや非静力メソ大気モデルなどの数値モデルが、従来に比べて比較的手軽に利用できるようになり、新たな現象理解の助け、あるいは観測データの解釈の助けとして、利用できるようになった、3.これまで比較的遅れていた都市の建造物上の乱流構造が明らかになりつつある、である。
  
研究集会参加人数 23 人