共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
亜寒帯地域の土壌(森林、畑)におけるアンモニア酸化微生物の生態学的研究 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 日本大学生物資源科学部 |
研究代表者/職名 | 助手 |
研究代表者/氏名 | 中川達功 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
小野寺由貴 | 日本大学大学院生物資源利用科学専攻 | 博士前期課程 |
2 |
徳山龍明 | 日本大学生物資源科学部 | 教授 |
3 |
高橋令二 | 日本大学生物資源科学部 | 准教授 |
4 |
福井学 | 北大低温研 |
研究目的 | 近年、極限環境に多く生息していると考えられていたアーキアの存在が土壌や海洋環境にも存在していることが明らかになった。さらに、メタゲノム解析により、土壌環境に硝化作用を担うアーキアとしてアンモニア酸化性アーキア (AOA) の存在が示唆された。これと同時期に水族館から世界で初めてAOAが純粋分離された。しかしながら、寒冷地域における森林土壌におけるこの窒素循環の硝化を担うAOAについての研究はほとんど行われていない。そこで、本研究では寒冷地域における森林土壌における深度別によるAOAとAOBの分布を調べ、さらに培養実験を行い、寒冷地域における森林土壌におけるAOAの硝化を調べることを目的とした。 |
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研究内容・成果 | 【方法】 雪解け直後の2008年5月20日に北海道大学北方生物圏フィールド科学センター雨龍研究林内の針広混交林、ミズナラ林、グダケカンバ林からコアサンプラーを用い、表層から深さ約30cmの土壌を採取した。採取された柱状土壌は表層から0〜5cm、5〜10cm、10〜15cm層に分画し、それぞれの層の土壌を目開き2mmのステンレスふるいにかけ、各層の試料とした。これらの土壌試料から抽出したDNA溶液を用い、AOAのアンモニアモノオキゲナーゼαサブユニット (amoA) 遺伝子を標的としたPCRを行った。0〜5cmの表層土壌についてはアンモニア酸化菌用培地を用い、20℃で培養実験を行い、亜硝酸生成が認められた培養系からDNAを抽出し、AOAとAOBのamoA遺伝子を標的としたPCRを行った。 【結果と考察】 AOAのamoA遺伝子を標的としたPCRの結果、今回の土壌についてはAOAの存在を示す結果は得る事ができなかった。一方、培養実験では、針広混交林の土壌のみ亜硝酸生成が認められた。この培養系からDNAを抽出後、AOAとAOBのamoA遺伝子を標的としたPCRを行ったところ、AOAのamoA遺伝子の目的鎖長のバンドが確認された。これらの結果より、雪解け直後の土壌にはAOAは非常に個体密度が低いが、培養可能なAOAの存在の可能性が示唆された。 |
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成果となる論文・学会発表等 |