共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

針葉樹の光合成特性に関する研究
新規・継続の別 継続(平成19年度から)
研究代表者/所属 神戸大学農学研究科
研究代表者/職名 准教授
研究代表者/氏名 石井弘明

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

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原登志彦 北大低温研

研究目的 本研究の目的は炭素固定能の高い造林樹種を開発するために、造林木として有用な針葉樹の光合成速度を規定する形質を特定することである。針葉樹は造林木として世界各国で利用されている。針葉樹の光合成促進に関わる形質を明らかにすることによって、品種改良による炭素固定能の高い樹種の開発に役立つ知見が得られる。樹木の光合成促進は森林の炭素固定量の増加につながることから、大気中のCO2濃度の削減および地球温暖化防止に直接的に寄与することができる。
  
研究内容・成果 今年度の研究成果から、シュート内における針葉の配置や樹冠内におけるクロロフィルの分配が、樹木の光利用効率を規定する重要な形態・生理的形質であることが示された。樹冠の上部から下部にかけての光の減少に対する形態・生理的反応性は樹種によって異なる。また、反応性の高い樹種であっても土壌養分が不足すると、反応性が鈍る。
 光強度の変化に対する形態・生理的形質の可塑性が高い樹種ほど光を無駄なく利用し、高い光合成生産を実現できると考えられる。弱光条件において葉の相互被陰を減らすことができる樹種は、暗い光領域まで無駄なく光を利用していると考えられる。
  
成果となる論文・学会発表等 Ishii, H.T., Kobayashi, T., Uemura, S., Takahashi, K., Sumida, A., Hara, T.(2008)Removal of understory dwarf bamboo (Sasa kurilensis) induces changes in water-relations characteristics of overstory Betula ermanii trees.
Journal of Forest Research 13:101–109