共同研究報告書


研究区分 研究集会

研究課題

永久凍土のモニタリングと変動に関する研究集会
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 北大低温研
研究代表者/職名 博士研究員
研究代表者/氏名 末吉哲雄

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

原田紘一郎 宮城大学食産業学部 助教授

2

斉藤和之 地球環境フロンティア研究センター 研究員

3

渡辺晋生 三重大生物資源学研究科 助教授

4

池田敦 筑波大生命環境科学研究科 準研究員

5

武藤由子 岩手大農学部農林環境科学科 講師

6

徳本家康 岩手大連合農学研究科 大学院生(博士課程)

7

石川守 北大環境科学院 准教授

8

岩花剛 北大工学部 助教

9

兒玉裕二 北大低温研 助教

10

曽根敏雄 北大低温研 助教

11

石井吉之 北大低温研 助教

12

森淳子 北大低温研

13

澤田結基 北大低温研

14

広田知良 農業・食品産業技術総合技術研究機構

15

溝口勝 東大農学部 教授

16

武田一夫 帯広畜産大学畜産科学科 教授

17

飯島慈裕 地球環境観測研究センター 研究員

18

松岡憲和 筑波大生命環境科学研究科 教授

19

桑尾和伸 北大農学研究科 大学院生(博士課程)

研究集会開催期間 平成 20 年 3 月 10 日 〜 平成 20 年 3 月 10 日
研究目的 凍土分野の研究において、近年の気候変動に対する応答の実態をモニタリングし、変動の物理プロセスを明らかにすることは地球科学的、並びに工学的な見地からも要請が強い研究課題であり、その重要性は凍土研究者間でも共有されている。しかし研究を進める上では、土壌物理・水文・気象といった複数の学問分野にまたがった知見を要求され、同じ凍土を対象としつつも、異なるバックグラウンドを持つ各研究者の間で十分な議論と意見の交換が不可欠である。本研究集会は、当該テーマに携わっている国内の研究者が集まり、テーマを絞った議論を行うことで、研究の現状と問題点を共有するのが狙いである。
  
研究内容・成果 2006年度から札幌近隣の研究者を中心に小さな集会を持っていたが、2007年度は、低温研の研究集会としてサポートを受けたこともあり、実験研究を中心とする三重大学のグループ、モデル研究を行っている地球観測フロンティア研究センターからの参加者などを加えて、6月、11月、3月の三度の集会を開催した。
各集会では、ゲスト参加者の専門分野を中心に活発な議論を交わすことが出来、国内の凍土研究者の集まる場として、また学会とは異なり時間を取って議論をする場として、研究の牽引役として機能する研究集会になった。以下に、各集会での発表題目を列挙する。

6/10 第四回 低温研凍土研究会
 森淳子   「南極半島JamesRoss島における斜面物質移動」
 原田鉱一郎 「アラスカ・スワード半島調査結果」
 池田敦   「岩石氷河の氷・岩屑混合層の形成プロセスに関する新アイデア」
 岩花剛   「大雪山系における微気象観測」
 片村文崇  「極東シベリアにおける最終氷期以降の植生変遷」

11/14 第五回 低温研凍土研究会
 桑尾和伸  「融雪期における凍結土壌の融凍現象と溶質移動」
 武田一夫  「モンゴル北部・フブスグル湖周辺の永久凍土」
 飯島慈裕  「東シベリア永久凍土地帯における近年の湿潤化に起因した?地温上昇」
 曽根敏雄  「カムチャツカ・エッソ周辺の永久凍土」
 原田鉱一郎 「アラスカ・スワード半島における火災後の永久凍土調査結果」

3/10 第六回 低温研凍土研究会
 池田敦   「富士山の永久凍土調査に向けて」
 澤田結基  「アラスカ凍土観測のPreliminary Report」
 森淳子   「南極半島JamesRoss島における斜面物質移動(2)」
 石川守   「特定領域研究『北極温暖化―過去・現在・未来』への提案について」
 原田鉱一郎 「IPAと凍土研究連絡会」


凍土研究の特徴として、対象を共有しつつも分野横断的なことが上げられるが、この結果、研究者の所属は(同じ大学内ですら)農学・理学・工学・環境科学などに分散してしまう。その中で研究のアクティビティを高めるには、凍土というテーマを議論するための集まりが不可欠である。本研究集会は、専門性の高い議論の場として、国内の凍土研究の活性化に大きく貢献したと考えられる。