共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

北方林における積雪冬季の水・エネルギー収支
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 独立行政法人海洋研究開発機構
研究代表者/職名 研究員
研究代表者/氏名 鈴木和良

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

兒玉裕二 北大低温研

研究目的 2003年〜2007年10月まで,JST/CRESTの水循環システムとそのモデリング研究において,北大低温研と共同で,北大雨龍研究林内の2つの森林で水・エネルギー・炭素循環の研究を行ってきている.これまで継続して行っている研究成果を実り多い物とするため,長期観測によるデータの蓄積と,環境変動に対する北方林での冬の水・エネルギー収支の変動をモデル化するための基礎的なデータを取得することで,陸面モデルの改良や衛星データの検証を通して,地球環境変動と北方林との関係を解明することが必要であると考えるため.
  
研究内容・成果 森林-大気間の熱交換特性を大きく変化させる(例えば,Harding and Pomery, 1996;Suzukiら,2003b))ことが指摘されている.しかし,屋外での精密な測定の困難さなどから,降雪の樹冠貯留・降雪遮断特性に関する研究は限られている(Lundberg and Hallldin, 2001).そこで,本プロジェクトでは現地観測を実施するとともに,人工気象室での降雪貯留実験を行い,その特性を理解するとともにモデル化に向けての基礎情報の集積を行った.

将来,本サブモデルを陸面過程モデルや気候モデルに組み込むことにより,森林群落における冬期の水・エネルギー交換の過程や気候変動予測が向上されることが期待される.
  
成果となる論文・学会発表等 Suzuki K., Kodama Y., Yamazaki T., Kosugi K. & Nakai Y. (2008) Snow accumulation on evergreen needle-leaved and deciduous broad-leaved trees. Boreal Environment Research 13: In press.

Suzuki K. & Nakai Y. (2008) Canopy snow influence on water and energy balances in a coniferous forest plantation in northern Japan. Journal of Hydrology 352: 126-138.