共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

ドームふじで観察された雪結晶の検討
新規・継続の別 継続(平成17年度から)
研究代表者/所属 北見工業大学土木開発工学科
研究代表者/職名 助教授
研究代表者/氏名 亀田貴雄

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

古川義純 北大低温研

研究目的 2003年2月から2004年1月の1年間、研究代表者は南極氷床の内陸に位置するドームふじ観測拠点にておいて越冬観測に従事し、その間、ほぼ1週間に1回の割合で、降雪結晶の顕微鏡写真を撮影した(撮影枚数約3600枚)。本研究は、北大低温科学研究所・古川義純助教授所有の画像解析処理システムを使い、大量の画像から計測処理を行い、結晶構造の統計処理を行い、ドームふじで観測された雪結晶の形態特性を明らかにすることを目的とする。
  
研究内容・成果 ドームふじでは、砲弾集合型、単砲弾、骸晶角柱、角柱、針状角柱、以上の5種類の雪結晶が観察できることがわかった。砲弾集合、単砲弾、骸晶角柱は1年を通して観察できたが、針状角柱(Shimizu, 1963; 名称はMagono and Lee, 1966参照)は冬季の4日間のみしか観察できなかった。各雪結晶の観察頻度(%)を調べると、砲弾集合が最も多く(合計47日間、全体の92.2%の日数で観察)、次は単砲弾、骸晶角柱となった。砲弾集合は2〜13個の単結晶から構成されていたが、4個から構成されていることが最も多かった(全体の34.7%)。また、砲弾集合の結晶間角度は、70度付近が最も多く、Kobayashi et al.(1976)でまとめられた結果と同様になった。また、砲弾結晶の頂部は、基底面に対して18度から43度で分布しており(測定数114)、最頻値は32度であった。このバラツキは雪結晶撮影時に砲弾結晶が水平面から傾いていたことに起因する可能性が高い。最頻値はピラミッド面(27.9度または31.5度)に近く、今回の測定結果は砲弾集合の頂部がピラミッド面であることを示していると思われる。
  
成果となる論文・学会発表等 亀田貴雄・古谷和憲・波多野敦志(北見工業大学)、古川義純(北大低温研)、南極ドームふじで1年間観察した雪結晶の特徴、日本気象学会秋期全国大会、C158、2006年10月25日
亀田貴雄・波多野敦志(北見工業大学)、古川義純(北大低温研)、南極ドームふじで観察した砲弾集合雪結晶の砲弾面の特徴、日本雪氷学会全国大会、P2-19、2006年11月16日