共同研究報告書
研究区分 | 研究集会 |
研究課題 |
寒冷圏海洋のモデリング |
研究代表者/所属 | 北大低温研 |
研究代表者/職名 | 教授 |
研究代表者/氏名 | 三寺史夫 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
池田元美 | 北大地球環境 | 教授 |
2 |
中村知裕 | 海洋研究開発機構 | 研究員 |
3 |
淡路俊之 | 京大理 | 教授 |
4 |
早稲田卓爾 | 東大工 | 助教授 |
5 |
多部田茂 | 東大創生 | 助教授 |
6 |
小守信正 | 海洋研究開発機構 | 研究員 |
7 |
山口一 | 東大工 | 教授 |
8 |
宮澤泰正 | 海洋研究開発機構 | 研究員 |
9 |
大島慶一郎 | 北大低温研 |
研究集会開催期間 | 平成 18 年 3 月 17 日 〜 平成 18 年 3 月 17 日 |
研究目的 | オホーツク海など寒冷圏海洋は、地球温暖化が進めば海氷域の大幅な後退など甚大な影響が出る地域と考えられている。また一次生産が高い海域でもありそれが豊富な漁業資源を支えているが、気候変動による影響を評価するためには、海氷を含む海洋環境の変動機構を理解することはきわめて重要である。その基盤として、海洋・海氷モデルは欠くことのできないツールである。本研究集会は、昨年の海氷モデルに関する国際ワークショップを受け今年度における研究の進捗状況を報告すること、さらに今後の課題・方向性を議論することを目的として開催された。 |
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研究内容・成果 | オホーツク海における循環など海洋物理学的側面は、近年行われた集中観測やレーダー、衛星観測によってその実態が把握されつつある。一方、海洋・海氷モデルも急速な進歩をしており、観測との直接的な比較を含めた定量的な議論が可能となってきた。今後、モデリングと観測が相まって、海氷の変動、生成・消滅とその影響、強い潮汐混合の影響、アムール川など陸域からの影響、など多くの事柄が解明されてくるであろう。また、北極海や南極海も含めたグローバルな視点を持つことにより、オホーツク海域のモデリングにおける今後の課題や方向性が明らかになるに違いない。 このような背景のもと、「海氷海洋相互作用のモデリングに関するワークショップ」を2006年3月17日、低温科学研究所会議室において行った。以下のとおり8件の研究発表があり、活発な討論が行われた。 ・海氷ラグランジアンモデルを用いた低気圧下の海洋海氷の応答(川口:北大環境) ・The Role of Sea Ice in Antarctic Intermediate Water Formation Using a Coupled Ice-Ocean Model (平池:北大環境) ・高解像度大気海洋結合シミュレーションにおける寒冷圏海洋の変動(小守:地球シミュレータ) ・A Semi-Lagrangian sea ice model for high resolution simulation(佐川:東大工) ・Investigation on the effects of grid size and sea current data in the short-term numerical sea ice forecasting for the southern Okhotsk Sea(藤崎:東大工) ・日本付近の低気圧活動とオホーツク海海氷との関係(吉田:地球シミュレータ) ・オホーツク海北西ポリニアにおける高密度陸棚水形成の数値実験(幾見・三寺:北大低温) ・環オホーツク圏モデリングへの取り組み(中村:北大低温) 総合討論では、環オホーツク観測研究センターの今後のモデリング方針について討議した。アムール川流域・オホーツク海・北太平洋を結ぶ物質循環経路において、北西陸棚域における海氷の生成とそれに伴う高密度陸棚水の形成がキーとなるプロセスである。それを含めた環オホーツクの海洋圏における物理‐化学‐生態系システムをモデル化するのは大変チャレンジングであり、重要な話題でもある。大いに推進するべきであるとの結論を得た。 |
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成果となる論文・学会発表等 |