共同研究報告書
研究区分 | 研究集会 |
研究課題 |
準実スケールの人工雲を利用した立坑実験の研究とりまとめ |
研究代表者/所属 | 北大低温研 |
研究代表者/職名 | 教授 |
研究代表者/氏名 | 藤吉康志 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
加藤琢磨 | 中央大学院理工学研究科 | 院生 |
2 |
山田 正 | 中央大学理工学部土木工学科 | 教授 |
3 |
山形 定 | 北大院工学研究科 | 助手 |
4 |
松井一郎 | 国立環境研(独法) | 主任研究員 |
5 |
内山政弘 | 国立環境研(独法) | 主任研究員 |
6 |
青木一真 | 富山大学教育学部 | 講師 |
7 |
太田幸雄 | 北大院工学研究科 | 教授 |
8 |
大畑義仁 | 中央大学院理工学研究科 | 院生 |
9 |
土屋修一 | 中央大学院理工学研究科 | 院生 |
10 |
播磨屋敏生 | 北大院理学研究科 | 教授 |
11 |
小林 勝 | 中央大学院理工学研究科 | 院生 |
12 |
大和田勝 | 中央大学院理工学研究科 | 院生 |
13 |
岡田将治 | 中央大学理工学部土木工学科 | 助手 |
14 |
泉 克幸 | 東洋大学工学部応用化学科 | 教授 |
15 |
川島正行 | 北大低温研 | 助手 |
16 |
中塚 武 | 北大低温研 | 助教授 |
研究集会開催期間 | 平成 17 年 2 月 23 日 〜 平成 17 年 2 月 23 日 |
研究目的 | これまで様々な研究費によって支えられながら継続してきた準実スケールの人工雲を利用した立坑実験:通称「マジックモンキープロジェクト」が10年目を迎えた。本プロジェクトを立ち上げた時点と比較して、気候・地球温暖化に及ぼす雲とエアロゾルの影響の重要性、さらにエアロゾルの間接効果の基礎過程解明の重要性が広く認識されるようになった。そこで、この期間に得られた研究成果の総合発表会を行うと共に、総合報告書作成と今後の企画提案のための打ち合わせ会を行う。 |
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研究内容・成果 | 雲についての研究方法として、最も直接的に雲の中に入る方法としては飛行機観測があり、間接的に雲の内部を捉える方法としてはレーダーに代表されるリモートセンシングがある。これらの方法は自然界で実際に何が起こっているかを明らかにするためにも有力な方法であり、今後も重点的に行われるべきものである。しかし、このような観測がもつ不可避的な弱点は、全く同じ雲を二度と見ることができないという非再現性にある。そこで我々は、既存の廃鉱にある鉛直立坑(深さ430m)を利用して、上昇気流によって発生する準実スケールの人工雲を形成させた。本研究では、これを利用して行う種々の実験と測定によって、雲底下から雲頂までつながった上昇気流中での雲の物理素過程を厳密に解明し、モデル化を行ってきた。 以上の研究背景の下で、本集会で紹介された研究内容は、「立坑実験でのライダーによる雲底の観測」、「坑底から高度100mまでに起きているエアロゾルの活性化と雲粒の成長」、「エアロゾルと雲粒の数濃度の対応」、「上昇風速及びエアロゾルが雲水生成量に及ぼす影響」、「立坑内の気温と水の同位体の鉛直分布」、「高吸水性ポリマーを利用した霧の沈着量の測定---立坑での基礎実験と野外霧への応用」、「高吸水性ポリマーを利用した霧水量(LWC)の測定」、「初期雲粒粒径分布のパラメタリゼーション」など多岐にわたった。今後の計画については、現在アメリカのカリフォルニア大学が計画している、同様の立坑を使った実験をサポートし、共同で更にグレードアップ(氷晶形成と乱流)した施設構築のための努力を継続することを確認した。 |
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