共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

氷ー氷接触界面における摩擦と弾性力学的プロセスの研究
研究代表者/所属 北陸大薬
研究代表者/職名 講師
研究代表者/氏名 竹井巖

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

二瓶光弥 産総研つくば東 主任研究員

2

荒川政彦 北大低温研

3

竹井巖 北陸大薬

研究目的  氷-氷接触面での力学的プロセスに関する実験的研究の推進をめざした。具体的には、幅広い接触速度での摩擦現象と広い周波数範囲での弾性特性を温度を変えて実験的に調べるとともに、過去に報告されている関連する実験データ解析から、氷-氷接触界面で生じている動力学的プロセスの統括的な把握・解明を試みた。
  
研究内容・成果  氷-氷接触面での摩擦に関する実験的研究においては、過去に低速度領域(10^-4から10^-1m/s)の氷-氷摩擦測定が平面氷に接触させた回転する氷スライダーとの間について実施され報告されている(安留他,1999)。過去の他の研究者による速度領域(5*10^-1から10^1m/s)の結果と合わせて、氷-氷接触の摩擦係数には10^0m/s付近に極小が存在することが指摘されている。今回は、氷-氷接触の摩擦測定が平面氷上を直線的に移動する氷試料片との間で実施され、確かに10^0m/s付近に極小が存在することが確認できた。また、氷-氷接触界面での摩擦係数と氷-ゴム素材接触界面での摩擦係数の速度依存性についての相違について検討された。このような摩擦実験では、環境温度を変えると測定結果に温度依存性に関係した相違を示すが、関心の大きな融点近傍での測定は安定せず、うまくいかなかった。
 また、氷同士が接触し力を及ぼしあうような場合の氷内部での力学的エネルギー損失が、このような力学的プロセスにおいてどのように関与しているのか評価するために、氷の弾性的応答における挙動の検証を試みた。氷本来の力学的挙動は、長時間の応力下または低周波領域における塑性的挙動から瞬間的な応力下または高周波領域での弾性体的挙動が一般的にイメージされるが、それ以外に氷には力学緩和現象が存在することも知られている。氷の力学緩和過程に関するエネルギー吸収の現象が検出できないか、氷の弾性応答測定を周波数領域(10Hzから100kHz)と温度範囲(-15℃から0℃)で行い検討した。奇妙な挙動がいくつか検出されたが、氷の力学的緩和現象に関連した現象であるかどうかは現在のところ明確にできていない。
 氷-氷接触界面における摩擦と弾性力学的プロセスを温度範囲や現象の応答速度範囲を広げて総合的に把握しようとする試みは、まだ緒についたばかりで十分な結果が得られていないが、氷本来の物性的知見と注意深い実験結果を対比させながら研究を進めていくことが重要である。