共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
気象の時間変動と道路構造別冬期路面状態に関する研究 |
研究代表者/所属 | (独法)北海道開発土木研究所 |
研究代表者/職名 | 道路部交通研究室 |
研究代表者/氏名 | 浅野基樹 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
宗広一徳 | 北海道開発土木研究所 | 研究員 |
2 |
舟橋誠 | 北海道開発土木研究所交通研究室 | 研究員 |
3 |
宮本修司 | 北海道開発土木研究所交通研究室 | 研究員 |
4 |
高橋尚人 | 北海道開発土木研究所道路部交通研究室 | 主任研究員 |
5 |
徳永ロベルト | 北海道開発土木研究所 | 研究員 |
6 |
石川信敬 | 北大低温研 |
研究目的 | 積雪寒冷地の冬期道路は、スリップ事故等の誘発要因の一つである非常に滑りやすい雪氷路面の出現が多く、冬期道路の安全確保には路面管理が維持管理において重要な問題の一つである。路面温度は、気温や降雪などの気象の影響を受ける他、土工部や橋梁部といった道路構造による熱特性の影響も受けやすい。このため、路面温度の正確な把握には気温や降雪などの気象条件の時間変動と凍結路面生成との因果関係を明らかにすることが急務である。 このような背景から本調査では、冬期の路面状況と道路構造および気象条件との関係を明らかにし、各種路面発生状態のメカニズムと路面状態の予測方法を開発するための基礎資料を得ることを目的とする。 |
研究内容・成果 | 本調査では、道路構造の異なる3地区において定点気象観測、現地踏査と当該区間の移動気象観測により道路構造の違いによる路面温度出現特性を把握した。次に、観測で得られた結果をもとに、土工部と橋梁部を対象に路面発生状態のメカニズムを検討し、路面温度推定モデルの基礎を構築した。 定点気象観測については、道路構造の異なる区間に路面温度センサーを埋設し、道路構造の違いによる冬期路面温度出現特性の把握と後述する熱収支モデルの基礎構築に必要な風速と気温のデータを収集することを目的に実施した。 観測項目は、路面温度、気温、風速の3要素とし、路面温度は土工部8深度、橋梁部1深度、風速は各地区に1箇所、気温は新川地区が発寒地区に近接することから発寒地区と厚別地区の2箇所とした。路面温度センサーは、各観測地点から採取された舗装コアに熱電対センサーを深度毎に埋め込み、専用の接着剤で処理した後、抜き取った箇所に埋設した。 その結果、日射が路面温度に大きな影響を与えていることや、交差点は単路よりも路面温度が高く、車両から放射される放射熱が路面温度に影響を与えていることが明らかとなった。 移動気象観測は、曇天日と晴天日の観測事例で観測時の気温は0.3〜0.9℃と-1.3℃〜0.7℃、風速は0.4〜2.3m/sと0.4〜2.4m/sの気象条件下であった。路面温度の分布は、全てのRunにおいて西向車線の路面温度が東向車線に比べ全体的に高く分布し、日の出後の日中においてこの傾向は顕著となった。 今回の調査結果を基に、熱収支計算の式を求めた。またこの式によって推定した路面温度と実測値および従来から用いられている気温の一次式による推定値とそれぞれ比較を行った。 |