共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

樹木の非破壊的ストレス解析法の開発
研究代表者/所属 長岡工業高等専門学校 物質工学科
研究代表者/職名 助手
研究代表者/氏名 柴田勝

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

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田中亮一 北大低温研 助手

研究目的 常緑樹は季節的な環境変化に対応するために、その適応機構を持ち合わせている。その一つとして光合成の光阻害が注目され、回避機構について詳細に調べられてきた。マルチストレスによる葉内の包括的なストレス応答を調べることは、樹木の環境適応機構を明らかにするために重要であるにもかかわらず、ストレス誘導による個別的な酵素活性や物質量によりその回避機構が議論されているに過ぎなかった。これらのことから、細胞を破壊することなく、同時に複数代謝リアルタイムに分別定量可能な分析系を確立するために、植物生理を基礎とした非破壊的な同時分別定量法・装置の開発を行った。
  
研究内容・成果 非破壊的な光化学系I活性、クロロフィル蛍光などの多重成分の同時測定のために、PAM(pulse amplitude modulation)によるクロロフィル蛍光測定を応用し、系列変調や複合変調による活性酸素の動態を同時に測定可能な系を構築する。初期実験として、葉片からの色素抽出に対して複数のシグナルマルチバイブレータを用い、パルス幅を抵抗およびキャパシタ値で調整した多重LEDパルスによる複数同時成分を行った。また、励起波長の組合せおよび強度を変化させ、単離チラコイド膜でのクロロフィルa, bを分別励起し、同一波長による分別蛍光測定を行った。しかしながら、検出器にシリコンホトダイオードを用いていたことから感度が得られず微弱な蛍光を定量的に測定できるまでには至らなかった。このことから、ノイズ低減を行うために高周波に対応したアンプを作成したが十分な結果は得られなかった。現在、ホトトランジスターを検出部位に使用した装置を作成し、測定を行っている。今後、単離チラコイド膜の結果を下に、単純パルス変調のPAM測定装置を併用した実験を行う予定である。