共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
不凍蛋白質AFGPの氷吸着構造の解析 |
研究代表者/所属 | 大阪大学蛋白質研究所 |
研究代表者/職名 | 助教授 |
研究代表者/氏名 | 松浦良樹 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
古川義純 | 北大低温研 |
研究目的 | AFGPはポリペプチド鎖に糖鎖の結合した糖蛋白質で、氷表面に特異的に吸着して、氷点を降下させることで知られる。その現象論的、速度論的解析は北大低温研等で解明されつつある。しかしAFGPの氷表面への吸着構造と不凍メカニズムについては未解明の部分である。本申請者らは吸着構造について、ヘリックス仮説を立て、その実証を実験的に進めている。このために全反射赤外線吸収スペクトル法と氷表面反射の偏光解析を平行して行っている。現象が界面における吸着に起因するものであるため、測定により得られるシグナルが非常に微弱であるという困難にあたっているが、表面吸着構造が検出されれば、AFGPの吸着に関する画期的なデータとなる。 |
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研究内容・成果 | 1.全反射赤外吸収スペクトル法(ATR)により、詳細な検討を行った結果、従来ヘリックスとコイルの構造変化に敏感とされている1500cm-1付近のアミド吸収帯は、この場合有意な変化を示さず、むしろ3000cm-1付近の吸収に変化がみられた。しかしこの波長近辺は水の吸収帯と重なり、今回用いている重水では、本来現れないはずの、重水中に含まれる軽水の影響によると思われるシグナルがでる。このため完全に脱軽水した系で実験を行うことが必要であることが判明した。現有の装置ではこれが困難なため装置の改良を含めて検討中である。 2.円偏光2色性スペクトルはヘリックスコイル転移に対して敏感な測定法であるため、AFGP存在下水の過冷却状態でのCDスペクトル測定を行った。このために大阪大学蛋白質研究所のCD装置を用いた。実験は0度から-2度の間でおこなった。過冷却状態でAFGPは0度以上の温度からなんらかの構造変化を起こすと期待されるが、スペクトル的な変化は観測されなかった。このことから、AFGPの水中での挙動に非常に複雑なものがあると推測された。 3.低温研において高精度の偏光光学系によって消光曲線の自動測定をコンピュータ制御するシステムを開発した。テスト的に蛋白質リゾチームを用いて結晶成長の過程を追って自動測定することが可能になった。現在システムの使いやすさに向けて改良中である。 |
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