共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
極地氷床氷の変形機構の解明と氷床モデリングへの適用 |
研究代表者/所属 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者/職名 | 教授 |
研究代表者/氏名 | 東信彦 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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研究目的 | 気候変動メカニズムを解明するための氷床モデリングにおいて、氷の変形は結晶の粒内滑りに支配され歪速度が応力の3乗に比例する所謂Glenの流動則が用いられている。しかし最近の研究では、氷床内部の低応力状態では変形は主に粒界すべりによるという説や、変形は粒内すべりに支配されるが応力指数は2以下であるという説もあり、未解明の重要課題となっている。本研究は極地氷床氷の変形機構を解明する鍵となる情報を得るため、南極氷床ドームFコア氷の個々の結晶のマイクロ力学特性と時間・空間変動を明らかにすることを目的としている。 |
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研究内容・成果 | 人工多結晶氷およびSiO2を含有した多結晶氷を特殊な二軸圧縮金型を用いて一定歪速度で変形し、0から50%の各歪み状態で結晶粒径、C軸方位、ビッカース硬度を調べた。また荷重曲線から変形応力を求めた。これらより変形中の結晶組織の変化を詳細に調べ、結晶方位の違いや不純物量の違いがどのように変形応力に影響を及ぼすかを明らかにした。また、種々の不純物を含んだ人工多結晶氷の結晶粒成長速度および再結晶粒成長速度を調べた。今後これらの変形中の結晶組織変化が氷床氷の流動特性にどのように影響を及ぼすか、ドームFコア氷を用いて実験を行う予定である。またさらに拡散クリープ領域での応力依存性を調べる実験を行う準備を進めている。 |
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