共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
氷天体の物質進化 |
研究代表者/所属 | 名古屋大学環境学研究科地球環境科学専攻 |
研究代表者/職名 | 教授 |
研究代表者/氏名 | 山本哲生 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
渡邊誠一郎 | 名古屋大学大学院環境学研究科 | 助教授 |
2 |
平原靖大 | 名古屋大学大学院環境学研究科 | 助教授 |
3 |
城野信一 | 名古屋大学大学院環境学研究科 | 助手 |
4 |
奥地拓生 | 名古屋大学大学院環境学研究科 | 助手 |
5 |
吉田茂生 | 名古屋大学大学院環境学研究科 | 助教授 |
6 |
湊哲則 | 名古屋大学大学院環境学研究科 | DC1 |
7 |
平林慎一 | 名古屋大学大学院環境学研究科 | DC2 |
8 |
香内晃 | 北大低温研 |
研究目的 | 宇宙における物質進化において氷が重要な役割を演じる過程を理論・実験・観測 の3側面から総合的に研究し,氷が関与する宇宙物質の進化に関する一貫した描 像を確立することが本研究の目的である. 氷やそれから生成された有機物に着目した宇宙物質進化の研究は世界的にもユ ニークな研究であり,新しい学問分野を切り拓つつある.香内教授のグループ をはじめ,当グループも新たな展開に大きな寄与ができつつある.これをさら に確固としたものにしたい.将来的には氷惑星探査の立案や生命の起源の解明 にも寄与することが期待される. |
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研究内容・成果 | 本年度は 香内教授のグループで行なわれている以下の実験の理論的解析を行 なった. 1) 氷表面における分子生成 2) 有機物表面への衝突付着 1)では,実験で測定された氷(H2O+CO)表面への水素原子の付着から生じる種々 の分子の生成量の時間変化を再現することによって,反応定数を決定すること を目ざしている.カイロ大学のグループも参加した共同研究を展開中である. 2)については,エネルギー散逸を伴う線型粘弾性理論の構築 (Adv. Space Research, to be published), およびダスト集合体の力学物性に関する研究 (ESA-SP, to be published) を行なった. これらに加えて,宇宙での物質進化におけるダストの役割に関する解説論文を 天文月報(日本天文学会誌,in press)に発表した. 3) presolar grainsに関する研究 presolar TiC core - graphite mantle 粒子のケース・スタディー を行ない,生成候補天体で生成されるダストの構造,サイズ,組成の再現と隕 石粒子との比較することによって,上記粒子の生成環境の精密決定することが できた(Meteoritics & Planet. Sci. 37, 1937).また,AGB 星の観測から同 定されたと報告されている TiC 粒子のスペクトルの解析を行ない,本当に観 測されているスペクトルがTiC 粒子によるものかどうかの検討を行ない,上記 の主張を否定する結論を得た(Astrophys. J., in press). さらに実験面では 4) 揮発性分子のクラスターの生成とその赤外分光 に成功し,本研究の目的の一つである核生成過程の素過程の解明に向けた実験 的基礎を築いた.さらなる実験を継続中である. |
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