共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

電気磁気学的ポテンシャルを用いた水表面の水微粒子間相互作用の解明
研究代表者/所属 鹿児島大学工学部
研究代表者/職名 教授
研究代表者/氏名 小原幸三

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

今村成明 鹿児島高専 助手

2

馬渕正勝 鹿児島大学工学部 D2

3

古川義純 北大低温研

研究目的 本研究の目的は、60〜70℃の水表面近傍に存在する直径20〜50μmの準安定な水粒子層の粒子凝集過程における電磁気学的ポテンシャルの効果を明らかにすることである。液面上の水粒子に働く熱流体力学ポテンシャルと電磁気学的ポテンシャルは、独立に粒子の運動を制御する力の要因として作用することが可能であり、これらのポテンシャルに対する粒子の運動を解析することで、水粒子による2次元的な巨視的結晶成長モデルの「微視的制御」の可能性を明らかにする。
  
研究内容・成果 実験は、水粒子による巨視的モデルと水銀を用いた微視的モデルについて行うことを計画した。水粒子の実験的モデルは、巨視的な粒子を用いてミクロな概念を把握するための手段として優れた点を持っているが、現実の結晶成長制御に拡張するためには、より小さな原子的スケールの実験システムが必要になる。本実験では、原子レベルでの挙動を明らかにするための実験として、水銀を凝集物質とした研究を同時に行うことを計画し、装置の開発に着手した。この装置により、熱対流を抑制した薄型放電セル内の水銀の凝集状態を、放電による水銀からの発光スペクトル強度の変化として測定可能になる。
 今後、プラズマ下での非平衡状態とプラズマの存在しない熱平衡化の状態の間での挙動を比較検討することで、外力としての電磁気学的ポテンシャルの効果を明らかにすることができると期待される。これにより、大気圏内にある粒子状の微小な水粒子(雲粒から水分子のスケール)の凝集を伴う挙動の解明に応用できると考えられる。