共同研究報告書


研究区分 研究集会

研究課題

豪雨・豪雪をもたらす気象擾乱に関する研究集会
研究代表者/所属 気象庁・気象研究所・予報研究部
研究代表者/職名 第1研究室・室長
研究代表者/氏名 吉崎正憲

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

01

加藤輝之  気象庁・気象研究所・予報研究部  主任研究官 
02 永戸久喜  気象庁・気象研究所・予報研究部  研究官 
03 新野宏   東京大学海洋研究所  助教授 
04 上田博  名古屋大学大気水圏科学研究所  教授 
05 中村健治  名古屋大学大気水圏科学研究所  教授 
06 坪木和久  名古屋大学大気水圏科学研究所  助教授 
07 藤吉康志  北海道大学低温科学研究所  教授 
08 川島正行  北海道大学低温科学研究所  助手 
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研究集会開催期間 平成 13 年 8 月 29 日 〜 平成 13 年 8 月 31 日
研究目的 最近の研究成果をもとに議論して、参加者の理解を深める。
  
研究内容・成果 プログラム

1日目:梅雨
1.吉崎(気象研)戦略的基礎研究「メソ対流系の構造と発生・発達のメカニズムの解明」で何を目指すか?
2.手柴(京大宙空電波)他7名 梅雨前線近傍のメソスケール擾乱に関する研究
3.柴垣(大阪電通大)他4名 S帯境界層レーダー観測による東シナ海上空の降水ラインの特徴
4.花土(通総研)他2名 航空機搭載降雨レーダ(CAMPR)による降雨の偏波観測
5.中川(通総研)他3名 ?-B血甘-99,WMO-1における航空機搭載降雨レーダ(CAMPR)による山岳域の降雨観測
6.中井(防災科研長岡)他3名 メソ対流系をターゲットとしたTRMM一航空機ドロップゾンデ同期観測と解析
7.加藤(岡山大教育)メソ降水系と梅雨前線スケール降水活動ー大陸と日本列島側の比較一
8.二宮(地球フロンティア) 梅雨前線帯の雲システム
9.新野・長谷(東大海洋研)1999年梅雨期の擾乱と大規模場の解析
10.加藤・遊馬(北大院理)客観的手法による北半球の低気圧活動度について

2日目:冬季のメソ擾乱
11.村上(気象研)他5名 航空機による日本海小低気圧および日本海収束帯帯状雲の内部構造観測
12.佐藤(通総研)他5名 航空機搭載レーダ(CAMPR)で観測された冬季日本海収束帯にともなう対流雲の構造
13.米田(名大地球水循環)他2名 航空機搭載降雨レーダによる冬季日本海降水システムについて
14.猪上(北大低温研)他5名 航空機観測による寒気吹き出し時の日本海上の気団変質
15.杉本(防大地球科学) 三国周辺で観測された渦状エコーの構造
16.小林(防大地球科学) 冬季日本海上で発生する竜巻
17.吉原(北大低温研)他3名 冬季日本海上で観測されたバンド状降雪雲の発達過程
18.前坂(北大院理)他3名 冬季雷をもたらす雪雲の内部構造解析と地上降雪粒子観測
19.岩波(防災科研)他6名 2001年1月14-15日の寒気進入に伴う降雪雲の構造と環境場の変化
20.吉田・遊馬(北大院理) 日本付近で急激に発達する低気圧の統計的解析
21.渡辺(福島大教育) 安定大気層下での降雪システム
22.長浜・藤吉(北大低温研)LANDSAT画像で見た筋状雲の特徴
23.永戸(気象研)2001年1月中旬に新潟県上越地方に大雪をもたらした降雪システムの構造と発生メカニズムについて
24.大東・坪木(名大地球水循環)海岸付近に停滞した降雪バンドの構造
25.吉崎(気象研)他3名 冬季日本海メソ対流系観測2001(WMO-01)の解析一概況,熱・水収支,事例解析
26.柳瀬・新野(東大海洋研) 日本海におけるポーラーロウの発生環境
27.長谷川(名大地球水循環)他4名 北陸沖の収束帯上に見られたメソβスケールの渦状擾乱の三次元的構造
28.川島・藤吉(北大低温研/地球フロンティア)石狩湾上に発生した小規模渦状降雪雲の数値実験

ナイトセッション
(1)上田(名大地球水循環)梅雨前線帯における降水システムの発生・発達機精解明のための特別観測の意義
(2)中川(通総研)他3名来年度COBRAを用いたキャンペーン観測計画の提案
(3)小林(防大地球科学)今年度冬の観測計画
(4)吉崎(気象研)戦略における来年度の観測計画や国際シンポ

3日目:暖侯期のメソ擾乱
29.足立(気象研)境界層レーダーによる2001年6月の梅雨前線の観測
30.山岬(地球フロンティア)梅雨前線に伴うクラウドクラスターと数値モデル
31.加藤(気象研)梅雨期に豪雨をもたらす線状メソ対流系
32.茂木(名大地球水循環)東シナ海上の水蒸気前線
33.新井(北大低温研)他5名 大阪平野での降水システムの3次元構造とダウンバーストの発生機構
34.野田(東大海洋研) スーパーセル構造の形成と維持過程
35.久保田・藤吉(北大抵温研)尾鷲沖に停滞した対流エコーの降水効率と発生発達過程
36.金井(東大海洋研)1999年10月27日の低気圧に伴う関東地方の大雨
37.児玉(弘前大理工)・石塚(弘前大院理) TRMMの多重センサー観測データによる九州南方海上に発現した[にんじん]状雲の解析
38.鈴木(防災科研) 東海豪雨発生時のメソαスケール擾乱について
39.金田(名大地球水循環)東海豪雨の構造とメカニズム〜東海地方に長時間停滞し豪雨をもたらした降水システムの3次元的構造と時間変化〜
40.大石(北大低温研)他9名 レーダーエコーと雷放電活動の関係
41.田中(気象研) デュアルドップラー解析の風速精度推定
42.小西(大阪教育大) 大阪北部の強雨事例
閉会(吉崎)

3.成果
この研究集会は3日間に70名以上が参加して、非常に盛会であった。X-BAIU-99やWMO-01など最近の野外観測を中心に、「梅雨」「冬のメソ擾乱」「暖候期のメソ擾乱」などのテーマについて、解析および数値実験の最近の成果の発表が行われた。豪雨・豪雪をもたらす気象擾乱の実態、構造、発生・発達のメカニズム、スケール間の関係などについて、ドップラーレーダー、境界層レーダー、天気図解析、数値モデルなど様々な角度からの報告が行われ、いろいろと議論がなされた。学会とは異なり、講演者は詳しく説明を行い、またじっくりと議論する時間があって、参加者にとって非常にわかりやすい有意義な時間であった。また若手研究者には大いに発表してもらい、いい経験になったと思う。また、2日目の夕方からナイトセッションを行い、これからの特別観測や研究計画についていくつかの報告がなされ、それらについて議論した。2時間以上に及んだが、いろいろな意見が聞けてこれから観測計画を立案する上で非常に有意義であった。

4.今後の課題
研究集会では講演によっては解析が不十分であるとか解釈がつかないなどいくつか問 題点が指摘された。それらはさらなる研究が必要である。また野外観測を行ったといっても全体としてもまとまりがなかったという指摘を受けた。まだ解析が一つのデータをとりまとめるのに時間がかかった性もあるが、今後同時に観測されたデータを複合して用いて解析を進める必要がある。