共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
シロイヌナズナの低温馴化と凍結傷害における細胞膜の関与 |
研究代表者/所属 | 岩手大・農・寒冷バイオ |
研究代表者/職名 | 教授 |
研究代表者/氏名 | 上村松生 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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荒川圭太 | 北大低温研 | 助手 |
02 | 河村幸男 | 生研機構 | 派遣研究員 |
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研究目的 | 本研究は、植物の凍結傷害の初発部位である細胞膜が、低温馴化過程でどのように変動し耐凍性増大に寄与しているかという分子機構を解明することを目的とする。具体的には、低温馴化過程における細胞膜組成(脂質やタンパク質)変動を詳細に解析し、その個々の変動がどのようなメカニズムで凍結傷害発生の回避を行っているのかということを明らかにしていく。本年度は以下に述べる計画に沿って研究を行った。 |
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研究内容・成果 | 研究内容 (1) シロイヌナズナ細胞膜タンパク質を2次元電気泳動法で分離した後、低温馴化過程で変動するタンパク質をMALDI-TOF法(岩手大学農学部)、あるいは、アミノ酸シークエンサー(北大低温研)を用いて構造解析した。 (2) すでに公開しているシロイヌナズナデータベースを用い、それらの低温馴化過程で変動するタンパク質をコードする遺伝子の同定を行った。 (3) 個体や単離プロトプラストの凍結融解過程における同定タンパク質の機能評価(北大低温研にある低温ステージ付き共焦点レーザー顕微鏡を用いて行う予定)のための形質転換体作成のための準備を行った。 研究成果 (1) 等電点電気泳動用可溶化緩衝液(6M Urea, 2M Thiourea, 4% CHAPSを含む)で単離細胞膜画分を処理した際の可溶化部分は2次元電気泳動で、不溶性画分は1次元SDS-PEAGEで解析した。 (2) MALDI-TOFMSによって、可溶性画分に見られる低温馴化課程で増大するタンパク質の中に、炭酸固定に関連したタンパク質(カーボニックアンヒドラーゼ、Rubisco small subunit –likeなど)、リポプロテインの1種(低温馴化過程におけるコムギ細胞膜にも見られる)、DNA repair proteins、dehydrins、タンパク質代謝関連タンパク質(RAD23homolog)などが、同定された。 (3) 不溶性画分に見られる低温馴化過程で増大するタンパク質(9個)の中では、Phospholipase DやTubulin-2などがMALDI-TOFMSによって同定された。さらに、比較的多量に存在するタンパク質について低温研のアミノ酸シークエンサーを用いて解析を行ったが、タンパク質を同定できるようなピークを得ることはできなかった。現在、さらに改良を加えて解析中である。 (4) 同定されたタンパク質をコードする遺伝子を同定し、来年度以降、形質転換体を作成するための情報を整備した。 |
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