共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
沈降粒子フラックスと古海洋学:オホ-ツク海における時系列変遷 |
研究代表者/所属 | 九州大学大学院理学研究院 |
研究代表者/職名 | 教授 |
研究代表者/氏名 | 高橋孝三 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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河村公隆 | 北海道大学低温科学研究所 | 教授 |
02 | 中塚武 | 北海道大学低温科学研究所 | 助教授 |
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研究目的 | オホーツク海における地球規模の気候変動等に着目し、研究主題を生物源沈降粒子フラックスおよび古環境復元に焦点を合わせて共同研究を推進する。この海域での過去の海氷生成の地理分布を特定する。 |
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研究内容・成果 | 1.研究内容 オホーツク海において採取された海洋堆積物コア試料中のレディオラリア化石群集を用いて古環境を復元する。また、セディメント・トラップ用いて採取されたプランクトン沈降粒子束試料中のレディオラリア群集フラックスの時系列変動の詳細を調べ海洋環境との関連を明らかにする。 2.研究成果 1998年8月より2000年5月の間に、オホーツク海サハリン沖の2定点(Stations M4 & M6, 各2層) でセディメント・トラップが係留され時系列沈降粒子試料が得られた。これらの試料中のレディオラリア群集の解析を行った。レディオラリアフラックスは、全粒子フラックスと非常に良い相関を示した(Fig. 1)。冬期から春先にかけての2か月間程の海氷が海洋表層を覆う時期には、両地点共に全粒子、レディオラリアフラックス共に著しく減少し、8月から11月にかけての秋にフラックスが増大した。また、上層のフラックスは下層のそれに比べ低い値を示した(Okazaki et al., 下記参照)。Nakatsuka et al. (in prep.)によると、この下層でのフラックスの増大の一部は、アムール川河口域からの水平方向の粒子が含まれるとのことだが、レディオラリア群集としはCycladophora davisiana 等の中層水起源の種が下層フラックスに多く含まれることが判明した。 オホーツク海で得られた3本のピストンコアXP98-PC1, XP98-PC2, XP98-PC4, XP99-PC6の解析を引き続き継続し出版準備を行った(Okazaki et al., 下記参照)。氷期におけるRARの減少は、PC2において最も顕著に見られ、海氷等がレディオラリア群集に及ぼす影響の規模を表すものと考えられる。過去の論文(Shiga and Koizumi, 2000)により海氷の影響が最も少ないと考えられたPC1地点で、レディオラリア生産量が最も高い傾向を示し、サハリンに近づくほど減少する傾向があった(Fig. 2)(但し、PC-4におけるステージ1はこれとは異なり高生産を示した)。 3.今後の課題 今後は、オホーツク海にてセディメント・トラップおよびピストンコアを用いて得られた時系列試料に付け加えて、北太平洋亜寒帯およびベーリング海で得られた同様の時系列試料を用いて海域間の比較検討が重要である。特にNPIW の起源を探る意味でも、中層に生育することが判明したCycladophora davisiana 等のレディオラリア種についての詳細データの収集が大事であろう。 |
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