共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
氷成長界面前面での溶質成分の蓄積挙動と界面による微細気泡の捕捉、押出し現象 |
研究代表者/所属 | 九州工業大学工学部物質工学科 |
研究代表者/職名 | 教授 |
研究代表者/氏名 | 向井楠宏 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
|
所 属
|
職 名
|
|
01 |
古川義純 | 北海道大学低温科学研究所 | 助教授 |
02 | 雷澤鑫 | 九州工業大学大学院 | 博士後期課程二年 |
03 | 中大路裕貴 | 九州工業大学大学院 | 博士前期課程一年 |
04 | |||
05 | |||
06 | |||
07 | |||
08 | |||
09 | |||
10 | |||
11 | |||
12 | |||
13 | |||
14 | |||
15 | |||
16 | |||
17 | |||
18 | |||
19 | |||
20 | |||
21 | |||
22 | |||
23 | |||
24 | |||
25 | |||
26 | |||
27 | |||
28 | |||
29
|
|||
30 | |||
31 | |||
32 | |||
33 | |||
34 | |||
35 | |||
36 | |||
37 | |||
38 | |||
39 | |||
40 | |||
41 | |||
42 | |||
43 | |||
44 | |||
45 | |||
46 | |||
47 | |||
48 | |||
49 | |||
50 | |||
51 | |||
52 | |||
53 | |||
54 | |||
55 |
研究目的 | 表面活性成分を含む水溶液の凝固界面前面には、表面活性成分が蓄積され、濃度境界層が形成される。凝固の進行とともにこの濃度境界層内に入った気泡は、その表面の表面張力勾配によって界面に吸い寄せられることが予想される。すでに一部の水溶液系では、気泡が吸い寄せられる現象が確認できた。 本研究は、そこで、界面前面に形成される活性成分の濃度分布をマッハツェンダー干渉装置により実測し、その結果と気泡の運動の直接観察結果とを組合わせることにより、上記の気泡が吸い寄せられ、界面に捕捉される現象を実験により把握するとともに、シミュレーションにより定量的に記述することを目的とする。 |
|
|
研究内容・成果 | ペルチェ素子を用いた一方向凝固装置と気泡発生装置、実験環境記録装置(G信号検知、室温・セル温度測定、画像処理系)及びマッハツェンダー干渉計を航空機に搭載し、航空機の放物線飛行による微小重力環境を含む様々な重力の下で、凝固界面前面における気泡の挙動の観察を行った。微細気泡は電気分解により、水溶液中に浸漬したAg細線から発生させた。マッハツェンダー干渉計により直接濃度境界層を観察でき、濃度場の発展と微細気泡の挙動に関するデータを同時に取得することができる。 1gの下ではこれまでの実験と同様に、上昇中の気泡は界面が近づいてくると急に水平方向へ移動し始め、界面に捕捉される現象が確認された。またμgでは気泡は一旦停止した後、最初はゆっくりと界面のほうへ移動し、その後素早く界面に引き寄せられ最後は界面に捕捉された。 マッハツェンダー干渉計で得られる干渉縞画像から濃度境界層が300μm程度存在すること、濃度境界層中の気泡のみが界面に引き寄せられたことが分かった。気泡は引き寄せられ始めて最大速度まで達した後、界面に近づくほどその速度が遅くなった。また気泡の直径が大きいほどその最大速度が速い結果となり、どのGレベルでも同じ傾向が見られた。凝固速度に関しては3パターン(2.1, 2.5, 3.3μm/s)の速度で実験を行った。凝固速度の速い方が気泡の移動速度が速い傾向であった。一方、μg下において、界面が停止した状態では界面近傍に存在する気泡が界面に捕捉されることはなかった。わずかに界面の方へ移動する気泡も観察されたが、これは濃度勾配が完全に消滅していなかったためであると考えられる。 航空機を利用した微小重力環境下での凝固界面前面に存在する微細気泡の観察により、濃度境界層中の気泡表面に溶質の濃度勾配に起因する表面張力勾配が生じ、それが駆動力となって気泡が界面に引き寄せられることを明らかにした。 |
|