共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
ユーラシアおよびアジア産哺乳類の分子系統地理学的解析 |
研究代表者/所属 | 北海道大学先端科学技術共同研究センター |
研究代表者/職名 | 助教授 |
研究代表者/氏名 | 増田隆一 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
|
所 属
|
職 名
|
|
01 |
黒瀬 奈緒子 | 北海道大学大学院地球環境科学研究科 | DC3年 |
02 | |||
03 | |||
04 | |||
05 | |||
06 | |||
07 | |||
08 | |||
09 | |||
10 | |||
11 | |||
12 | |||
13 | |||
14 | |||
15 | |||
16 | |||
17 | |||
18 | |||
19 | |||
20 | |||
21 | |||
22 | |||
23 | |||
24 | |||
25 | |||
26 | |||
27 | |||
28 | |||
29
|
|||
30 | |||
31 | |||
32 | |||
33 | |||
34 | |||
35 | |||
36 | |||
37 | |||
38 | |||
39 | |||
40 | |||
41 | |||
42 | |||
43 | |||
44 | |||
45 | |||
46 | |||
47 | |||
48 | |||
49 | |||
50 | |||
51 | |||
52 | |||
53 | |||
54 | |||
55 |
研究目的 | 日本の哺乳類相は多くの固有種を有する一方で,中国および朝鮮半島やロシア極東部から渡ってきたと考えられる種も多く含んでおり,多様である。しかし,各動物種の渡来経路や時期,また各集団の分化状況や遺伝的多様性など,明らかにされていない部分も多い。よって当共同研究では分子生物学的手法を用いて日本およびユーラシアに分布するイタチ科動物の種間の系統関係を明らかにすることを目的とする。 |
|
|
研究内容・成果 | 研究内容 日本およびユーラシアに分布する14種のイタチ科動物について,3つの遺伝子マーカー:ミトコンドリアDNAのチトクロム b 遺伝子領域と12S rRNA遺伝子領域および核DNAのIRBP遺伝子領域 - をPCR法を用いて増幅し,ダイレクトシークエンス法により塩基配列を決定した。得られた配列を元に系統樹を作成し,その系統関係を比較検討した。対象種はニホンイタチ Mustela itats・シベリアイタ Mustela sibirica・イイズナMustela nivalis・オコジョMustela erminea・アルタイイタチMustelaaltaica・ヨーロッパケナガイタチMustela putoriu・ステップケナガイタチMustelaeversmanni・フェレットMustela furo・ヨーロッパミンクMustela lutreola・アメリカミンクMustela vison・セスジイタチMustela strigidorsa・キテンMartesmelampus・クロテンMartes zibellina・アナグマMeles meleである。 研究成果 日本を含むユーラシアに分布するイタチ科動物14種について,それらの種間系統関係を3つの遺伝子マーカーを用いて分析した。遺伝距離に基づいて作成した系統樹により,イタチ 属では大型のイタチグループ(ヨーロッパケナガイタチ・ステップケナガイタチ・ フェレット・ヨーロッパミンク・シベリアイタチ・ニホンイタチ),小型のイタチグループ (イイズナ・オコジョ・アルタイイタチ),ミンクとセスジイタチのグループというように大きく3つのグループに分けることができた。この結果は、従来の形態分類とほぼ一致していた。さらに,セスジイタチについては形態比 較や遺伝子情報のデータが少なかったが,本研究によりセスジイタチはユーラシア産の他のイ タチ属より系統的に離れていることが明らかとなった。 今後の課題 より信頼性できる系統関係を構築するために,他の遺伝子マーカーを用いたり,種数を増やしてさらなるデータの蓄積が必要であると思われる。 |
|